東京育児日記

子どもが寝ているあいだに書くブログ

藤堂志津子

相変わらずネットカフェ……なんだけど、そのことばかり書いてもしょうがないのでちょっと別の話題。小谷野敦「バカのための読書術」ISBN:448005880X読んだんだけど、そのなかで「これが読めれば大人の女性」と推薦していたのが藤堂志津子だった。ここで名前が挙がっていた「ふたつの季節」と「昔の恋人」を買って読んでみたら、もう「読める」なんてもんじゃないくらいはまり*1、古本屋で藤堂志津子の本を10冊くらい買ってきた。でも、何冊か読んだ限りではさっきの2作がベストかな。

この人の作風って、日経WOMANとかCOSMOPOLITANあたりで「働く女性向けの小説」として紹介されていてもおかしくない感じだけど私は見たことがない。定番的に出てくる桐野夏生とか、篠田節子とか、山田詠美とかよりもはまると思うんだけど。(「L文学完全読本」には載っていただろうか?記憶にないので、そんなに大きい取り上げ方ではなかったと思うが、載せるべき人だと思う)。すごいエリートだったり美人だったり特別なところに所属しているわけではない普通の女性が主人公の話が多いんだけど、主人公が幼稚だったり恋愛至上主義だったり表面的だったりはしない。家族・生活があって恋愛もしているというあたりきちんと書いているので、リアリティがあって人間観察や心理描写のレベルが高い。

「ふたつの季節」ISBN:4062648504勤めを辞めてアメリカに留学する女性の話で、小谷野敦が解説をしていて、留学生の実際の生活や挫折、日本人同士の共依存関係についてリアルに描かれている、というようなことを言っていて、留学経験のない私も、きっとそうだろうなと思いながら読んだ。この本はオビとかを見ると恋愛小説というくくりで売っているんだけど、かつては恋愛であったものがそうではないものに変質していくところとか、日本にいたら別に好きにならないタイプだということを認識している感じとか、ありそうだな〜と思える(この辺はなんとなく「アンネの日記」を思い出したりした)。恋愛かどうかよくわからない性的関係があり、それが一番大事というわけじゃないんだけどかかわってしまう感じ。

「バカのための読書術」の最後のほうには性別・年齢(25歳以上/以下で分ける)お勧め小説リストというものがあり、ここで女性向けになっている恋愛心理小説系は個人的にツボにはまりそうな予感なので少しずつ読んでいこうかと思う。

*1:これってワタシってオトナ!って言っているようなものなのでしょうか、そんなこと宣言するのは恥ずかしいけど

*2:って今も活動しているのでしょうか…