東京育児日記

子どもが寝ているあいだに書くブログ

シリア難民中傷イラストの時系列まとめ(10/4まで)

 ※10月4日時点までのまとめです。ツイート引用を多数含むため、長い&読み込みに時間がかかります

9月30日

奥田愛基氏のツイートほかによってこのイラストの存在が広まる

多くの人がfacebook運営に通報するが、「嫌がらせ行為をご報告いただいた写真を確認したところ、コミュニティ規定に違反するものではありませんでした。」という返事を受け取る。

10月1日

Change.orgにて署名呼びかけが開始。

キャンペーン · シリア難民を侮辱するイラストが「レイシズム」であるとFacebookは認めてください。 · Change.org

10月1日

私 @yuco がザッカーバーグに直訴(笑)

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10月1日

なんばりょうすけ @rna さん、元ネタ写真を探し、撮影したカメラマンを特定

10月2日

Japan Timesの記事がアップされる(翌3日にイラスト作者のコメントを追加)

'Racist' illustration of refugee girl sparks ire among Japan's netizens | The Japan Times

10月2日

なんばさんがイラストの元となったカメラマンにtwitterで連絡

10月2日深夜〜10月3日早朝にかけて

イラストの規約違反を訴えた人たちへのfacebook運営からの返事が、以下のように変化する。

→「コミュニティ規定に違反していると判断し、削除しました」

→「投稿したアカウントが削除されたため、コミュニティ規定違反の審査を行うことができません」

→「このコンテンツを投稿したアカウントが復元されたため、この投稿がまたFacebookで閲覧可能となっている可能性があります。コンテンツがまだコミュニティ規定に違反するものであると思われる場合は、もう一度報告してください」

10月3日未明〜午後

イラストの作者はすみとしこ氏のfacebookページより、イラストはいったん非公開になったが、異議申し立てを経て復活したことがわかる。その後Japan Timesのメール取材を受けコメントしている。

www.facebook.com (10月3日 0時49分)

www.facebook.com (10月3日 1時36分)

www.facebook.com (10月3日 15時48分)

www.facebook.com (10月3日 18時06分)

10月4日現在

問題のイラストは閲覧可能な状態にある。

このイラストを再度報告したところ、「嫌がらせ行為をご報告いただいた写真を確認したところ、コミュニティ規定に違反するものではありませんでした」という最初に逆戻りのメッセージが。

撮影したカメラマンのコメント。

(拙訳)あの無垢な子どもの写真を、このようなねじまがった偏見の表現に利用され、ショックと深い悲しみを覚える。

苦境にあるシリアの人々に対して、なんと恥ずべき誤った表現であろうか。 

感想

この件について唯一のメディア企業によるものであるJapan Timesの記事は、Change.orgは取り上げても、twitter上などでの個人の動きというのはなかなか紹介しづらいようで、今回なんばさんがすごくがんばって写真の初出を特定し、撮影者にコンタクトを取っていたのがすばらしいし、このまま流れてしまうのももったいないと思い、記録することにしました。

なんばさんの思い。

わたしは最初に彼が「被写体少女への名誉毀損では」と言いはじめたとき、「いやでも、彼女は日本にはいないだろうし、生死も不明の人への(日本の民法上の)名誉毀損というより、レイシズム的な問題なのでは?」と思い、あまりピンとこなかったのですが、その思いでカメラマンを捜し出し、コメントを取ったのはすごいなあと。

それから、私の直訴(笑)はあまり役に立たなかったようですが、173人(10月5日0時現在)もいいね!を押していただき、どうもありがとうございました。こういうネットサービスへの通報って、以前から何度かしていますが、いつもこういう「違反していません」または返事なしなのにうんざりしていて、なにか違う方法がないかと思いダメもとでやってみました。

とりあえずこれだけのいいね!がありリプライもついていると、数千個あるコメントの中でも彼の人の目に入るところまでいったのではと思います。ちょうどそのくらいのタイミングで運営側の判断が変更されたので、もし影響を与えられたならうれしいですが、まあ偶然の一致でしょう(笑)

また、Facebook運営側が、コミュニティ規定には違反していない、という判断を丸一日以上続けたあと、突然判断をくつがえして削除し、しかし本人が復活の申し立てをしたらあっさり(おそらく2〜3時間程度で)許可し、その後はまた違反していないというメッセージを送り続けているわけですが、このあたりの判断プロセスはぜひ公開してもらいたいものです。

私は以前から、こういうPVを稼いで広告を売っているタイプの大手サイトがこのようなヘイト的な表現をスルーするのは問題だと思っていました。ヘイトスピーチは現状、違法ではありませんが、少なくともユーザーに好きに投稿させることでPVを稼いでそれなりの利益を得ている大手有名企業は、こういう投稿を削除するくらいの管理コストはかけるのが、企業としてのあたりまえの倫理ということになってほしいです。

Facebookも、差別発言を削除しますとは一応書いているのですが、このていたらくだし、もっとひどいのはドワンゴで、ちょうど10月1日に発表されたニコニコ活動ガイドラインでも、「ニコニコ運営の対応に過度の期待をしないようにしましょう」とか、最初から逃げを打っているわけです。その他の例としては、書籍『#鶴橋安寧 アンチ・ヘイト・クロニクル』に対するamazonカスタマーレビューとか。ヤフーニュースは、9月に「ヘイトスピーチなどへの対応を強化します」と発表しましたが、その後どうなったのでしょうか。

2015年10月05日のツイート